ワインセラーの年間電気代を比較してみた

24時間365日稼働し続けるワインセラーの電気代がどのくらいかかるか、案外気になる方も多いのではないだろうか。ワインを安全に保管する必要経費ではあるが、できるだけ抑えたいのがランニングコストである、電気代だ。
そんな方に向け本記事では、実際にフォルスタージャパンの製品を例にしつつ、年間電気代の計算方法や省エネ性に優れるモデルについて解説していく。
ワインセラーの年間電気代を比較
ワインセラーにかかる年間の電気代は、主に冷却方式やサイズによって変動するため、ここでは実際のフォルスタージャパン製品を例にとりつつ電気代を比較してみる。
年間電気代の計算方法
ワインセラーの年間電気代を知るには、以下の計算式で簡単に求められる。機種ごとの年間消費電力量については、各商品仕様欄に明記されている。
年間消費電力量(kWh)x 1kWhあたりの電気料金(基本は31円)
しかし、この計算はあくまで目安であり、実際の消費電力は、室温やワインセラーの使用状況により変動する。
※1kWhあたりの電気料金は公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 新電力料金目安単価の31円を参考。
冷却方法やサイズでも変わる電気代
ワインセラーには主に「コンプレッサー式」と「ペルチェ式」の冷却方式があり、それぞれで電気代に違いがある。
- コンプレッサー方式:製品価格こそ高くなるが、消費電力が低いためランニングコストの面でもトータルでは低コスト。
- ペルチェ方式:コンパクトなサイズが多く製品価格が安いが、冷却効率が低いため、電気代が高くなる傾向がある。本体代となる
また、サイズでも電気代は異なる。例えば、サイズの異なるフォルスタージャパン製品の「ST-209G」と「FJP-88GS」の目安の電気代を比較すると以下の通りだ。
- ST-209G(収納本数:74本)
・年間消費電力=341kWh
・年間電気代=10,571円 - FJP-88GS(収納本数:33本)
・年間消費電力=165kWh
・年間電気代=5,115円
電力会社プランの選択で節約
これはワインセラーのみにかかわらず、電気代を節約するためにはライフスタイルに合った電力プランを選ぶことが重要である。
家族構成や使用電力量に応じて最適な電力プランを選ぶためにも、電力比較サイトなども利用しつつ、最適なプランを見つけてみてはいかがだろうか。

ワインセラーの年間消費電力量の計算
ここでは、フォルスタージャパンの実際のモデルを参考に、ワインセラーの消費電力の確認方法や年間・月間での電気料金の試算について解説する。
消費電力の確認方法
フォルスタージャパンでは、公式サイトや製品仕様書に消費電力を明記しているので、気になる方は確認を。
例えば、同社のフラグシップモデルとなるロングフレッシュシリーズの「ST-408FGII」では、年間の消費電力が565kWh。人気のエッセンシャルシリーズ「FJE-113GS」では、285kWhと商品ページに記載されている。
1カ月の電気料金の試算
具体的な製品の1カ月あたりの電気料金試算は、フォルスタージャパンの製品仕様に基づいて計算可能である。近日、試算をしなくても電気料金が分かるように公式ホームページに公開予定だ。
- ST-SV140G(ロングフレッシュ)
- 年間消費電力量:400 kWh(50Hzの場合)
- 月間消費電力量:400 kWh ÷ 12 = 33.33 kWh
- 月間電気料金:33.33 kWh × 31円/kWh = 約1,033円
- ST-SV140G(ロングフレッシュ)
- 年間消費電力量:296 kWh
- 月間消費電力量:296 kWh ÷ 12 = 24.67 kWh
- 月間電気料金:24.67 kWh × 31円/kWh = 約765円
ワインセラーのエネルギー効率改善の方法
ワインセラーのエネルギー効率を改善するには、主に以下2つのポイントが非常に重要である。
放熱スペースの確保
ワインセラーの周囲に適切な放熱スペースを確保することは、電気代の削減に効果的である。
機種により異なるが、目安としては左右に20mm、奥行50mm、高さ100mmのスペースを設けることが推奨されている。
ドアの断熱性能強化
ワインセラーの電気代を抑えるためには、断熱性能の高いドアを選ぶことも重要だ。特に複層ガラスのドアは、外気温の影響を減らし、冷却効率を高める効果がある。
フォルスタージャパンではLow-E複層ガラスという二層、または三層構造を備えており、断熱性について他社製品と比較して全く劣らない仕様となっている。
フォルスタージャパンのワインセラー
ワインセラーのエネルギー効率を改善するには、主に以下2つのポイントが非常に重要である。
製品ラインナップと特徴
フォルスタージャパンのワインセラーは6つのシリーズがあり、ロングフレッシュ、エッセンシャルシリーズをはじめ、SG121、 SG122他、複数機種を展開している。
- ロングフレッシュ:プロフェッショナルや本格的なワイン愛好家向けのフラッグシップモデルで、最も堅牢で高品質を誇る。
- エッセンシャル:美しいデザイン、ワインの取り出しやすさ、そして高い品質を追求したモデル。
- SG-121, SG-122, SG-195, SG-196:家具の一部として溶け込むおしゃれなデザイン性と機能美を備える。
- FJC-310, FJC-366:環境に配慮したワインセラーとして誕生。同社初のインバーターモデルを搭載している。
- FJP-57, FJP-88, FJP-321:フォルスタージャパン唯一のビルトインタイプを有するなど、スタイリッシュさと使い勝手に特化。
- FJH-201:コンパクト&高収納、冷却力も大幅に向上した万能なシリーズ。
消費電力と電気料金の目安
実際に以下の3つのモデルを例にとり、目安となる年間電気料金を計算してみる。
※1kWhあたりの電気料金は公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 新電力料金目安単価の31円を参考。
- FJE-76GS
- 年間消費電力量:256kWh(50/60Hz)
- 年間電気料金の目安:256kWh × 31円/kWh = 7,936円
- SG-122GD
- 年間消費電力量:296kWh(50/60Hz)
- 年間電気料金の目安:296kWh × 31円/kWh = 9,176円
- SG-122GD
- 年間消費電力量:183kWh(50Hz) / 188kWh(60Hz)
- 年間電気料金の目安:
- 50Hz地域:183kWh × 31円/kWh = 5,673円
- 50Hz地域:183kWh × 31円/kWh = 5,673円
ユーザー評価と価格比較
フォルスターのワインセラー製品は、価格帯別に以下のような特徴がある。
- エントリーライン:FJP-57/88などのコンパクトモデルがあり、省スペースの実現と20本収納の家庭用として丁度良い仕様になっている。また、サイズが小型なため消費電力がその他モデルと比べてリーズナブルな点もポイントだ。
- ミドルレンジ:エッセンシャルシリーズやSGシリーズが含まれ、ワイン愛好家向けの家庭用として人気が高い。価格・性能・省エネ性のバランスに優れ、利便性が非常に高い点が特徴だ。
- ハイエンドモデル:ロングフレッシュシリーズが代表的で、大容量かつ高機能な製品が多く揃う。ワイン愛好家やプロ向けの性能を備えているが、なかでもインバーターコンプレッサーを搭載していることでワインの保管はもちろん、同サイズの製品と比べて省エネ性に優れている点も嬉しい。
ユーザー評価としても、ロングフレッシュシリーズについては、「高級感があり、インテリアとしても素晴らしい」「温度管理が正確で信頼できる」といった声が数多く寄せられている。詳細はお客様の声:服部栄養専門学校をご覧ください。
ワインセラーの電気代はサイズや容量によっても変わる
ワインセラーの電気代は、冷却方式やサイズ、使用環境によって大きく変わる。ワインセラーのエネルギー効率を高めるための節約術、さらには根本的に電力会社やプランを変えてみるなど、方法次第で電気代の節約はいかようにもできる。
とはいえ、電気代を大きく左右するのはやはりモデルの仕様だろう。省エネタイプの圧縮機を搭載したモデルを予め導入することが、最も手軽な電気代節約術なのは間違いない。

ライター紹介

田中 純平 (Junpei Tanaka)
J.S.A認定SAKE DIPLOMA
WSET Level3
大学時代のスペイン留学中にワインの魅力に囚われ、帰国後はスペイン語とワインの二足の草鞋を決意。在学中にヴィノスやまざきでインターンを経験し、同年にワイン関連の資格を諸々取得する。卒業後はフリーランスとして独立し、スペイン語レッスンや(株)楽天グループの翻訳担当を経て人気ソムリエが監修を務めるお酒のウェブメディアや西日本新聞社運営の焼酎メディアにて監修ライターを務める。現在は副業にて、ワインD2C会社であるHomewineに携わり、ワインに関する相談にお答えするソムリエコンシェルジュサービスを担当中。